ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド、二度目の視聴
先週末に続いて、今週末も、同じ映画館の同じ席で、
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドを観てきました。
最近の映画館は、全席指定席になっていて、事前にオンラインでチケットを購入し、
座席も好きなところを決めて、
スマホのデジタルチケットで入場する。
便利になりましたねぇ!
近所の映画館は、席が、ビジネスクラス並みのリクライナーで、
思いっきり倒していても、スペースに余裕があるので、前を人が行き来しても、
動く必要がありません。
隣に誰か座っても、さほど気にならないし、ポップコーンやソーダを置くテーブルもあって、快適です。
それはそれとして、本題の映画のお話
今回は、2回目なので、全体のストーリー展開がわかっている分、
細かいところに注意しながら観ることができました。
よくわかっていなかった箇所も、確認できたり、
もっとよく観たかったシーンもちゃんと観ることができたり、
収穫の多い2回目でした。
この映画の最大の魅力は、レオナルド・デカプリオと、ブラッド・ピットの名演技。
成熟した大人の男ふたりの、一挙手一投足の重みというか、
汗ばんだ顔や、深く掘り込まれた皺が、大きくクローズアップされてスクリーンに映し出され、
発する言葉の一音一音が、深く心に落ちてくる。
CGやらアクションを抜きにして、生身の人間が演技をしている、
そういう感動ともいえるインパクトがあります。
レオナルドは、次回のアカデミー賞主演男優賞候補に挙がることは間違いないでしょうし、
受賞する可能性もかなり高いと思います。
主役と同レベルの位置にあると思われるブラッド・ピットも、助演男優賞の有力候補でしょう。
それほどに、見ごたえのある、ふたりの演技。
トム・クルーズが演じていたら、どうなっていただろう・・・
ブラッド演じるスタントマンのクリフ役は、最初、トム・クルーズにオファーが入ったそうで、
タランティーノ監督は、トムとは話が盛り上がって、とてもいい感じだったが、今回は見送りとなったと、あまりはっきりとした理由は話していないようですが、
トム・クルーズは、トップガン2の公開が来年に迫っていることもあり、そちらに向けてイメージを作り上げつつあるのかなという気もします。
でも、結果的に、トムではなく、ブラッドがクリフ役を演じたのは、大正解だったと思います。
監督も、何種類もの組み合わせがリストアップされていたが、レオとブラッドは、その中のトップだ、と語っています。
チャールズ・マンソンとシャロン・テイト事件
タランティーノ監督は、60年代のハリウッドをこよなく愛していると言います。
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」は、彼が、60年代のLAに宛てたラブレターだと評されたことは、前回の記事でも書きましたが、
そんな監督にとって、シャロン・テイト事件は、衝撃的で、心痛この上ない出来事だったと思われます。
この映画の中で、シャロン・テイトに関するあたりの描写は、かなりドキュメンタリーレベルで撮られています。
事件前後のそれぞれの行動、そこにいた人物、そして場所。
69年8月9日に起こった事件は、アメリカン・ポップ・カルチャーの汚点、マンソンは悪の象徴となり、全盛だったヒッピー文化も、衰えていったのでした。
監督は、この映画を通して、追悼の念を表したかったのではないかとも感じられます。
ネタばれになるかもしれないので、この先は、映画を観てから読んで頂いたほうがいいかと思いますが、
ネタばれ
ネタばれ
ネタばれ
ネタばれ
タランティーノ監督の、映画に託す深い思い
映画の終盤に入って、マンソン・ファミリーのメンバーが、チャールズ・マンソンの指示を受けて、ハリウッド・ヒルズの豪邸に殺人を犯すために出向いたところ、
隣に住んでいたリック・ドルトン(レオ)にエンジン音がうるさいと追い返されるのですが、メンバーは、それが、かの人気俳優、リック・ドルトンだと気づき、急遽、彼を殺害しようと、ドルトンの家に戻ります。
結果、3人のうち2人は、クリフ(ブラッド)と彼の愛犬ブランディーの手で殺され、残りの1人は、最初、庭のプールで何も気づかずお酒を飲んでいたリックに、火炎放射器で焼き殺されるという展開です。
ここらあたりの映像は、ちょっとショッキングかもしれませんが、あまりはっきりと映らないので、目を覆うほどではなかったかな・・・。
ポリスがかけつけ、負傷したクリフが救急車で去ったあと、玄関先に立ち尽くすリックに、隣人シャロン宅に遊びにきていたジェイが声を掛けます。
そこに、インターコムで、シャロンが話かけ、クリフに家にきて一緒に飲みましょうと誘います。
ラストシーンは、リックがシャロン宅に招き入れられる、というハッピーエンド的な映像。
1969年に実際に起こった事件を知っている視聴者にとって、このシーンは、追悼であり、慰めであると同時に、癒しでもあったのではないかと思うのです。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドは必見です
アクションやCG,特撮が目白押しの最近のハリウッド映画の中で、
大物俳優がダブルで主役を演じ、しかも、じわじわとした演技一本で食い込んでくる、
そういう、スルメイカのような映画、だから何度でも観たくなる名作です。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド。ぜひ、ご覧ください。

