カーレースを観に行った時です。
「何でも一度は体験したい。」この時は、クルマ狂の友人といっしょに、初めてのカーレース観戦に出かけました。
楕円のレーストラックを爆走するのではなく、市内のコースを何時間もかけて何十周も回るタイプのものなので、レースがスタートしてしばらくすると、目の前を走り過ぎる車もまばらになり、けっこう手持ち無沙汰になったのです。
ケチャップがない・・・
お目当てのレーサーが回ってくるまでの間は、会場に設置された記念品売り場やフードカートを回ります。
ホットドッグ、タコス、ピッツァ、ナチョス、バーガー。
私はホットドッグを買って、コンディメント・Condimentsコーナーに向かいました。Condimentsコーナーには、ケチャップ、マスタード、ピクルス、オニオンなど、ホットドッグ用の調味料が並んでいます。
ケチャップやマスタードは容器に入れられた小さな使い切りパケットを好きなだけ取ってつけるのですが、この時、ケチャップの容器は空っぽだったんですね。
「ケチャップなかったらホットドッグ食べられへんやん。」
私は店員さんのところに戻って声をかけました。
店員さんは大忙しの上、不愛想だった・・・
"May I have some ketchup?"
店員さんは、チラッとこちらを見たのですが、大忙しで、そのまま「無視!」して他のお客さんの対応をしていました。
「なんでやねん!」
その時です。ひとりの若い男性が速足で近づいてくると、私の真横に立って「大きな声で」店員さんに言いました、
"How come there is no ketchup?"
店員さんは、ドキッとした顔をしてその人を見ると、何も言わず、後ろの棚からケチャップのパケットを一掴み持ってくると、容器にバサッと放り込み、また接客に戻りました。
私はその時に知ったのです、私の質問形式は甘かったと。
あなたならどう答える?質問形式が導く回答形式
"May I have some ketchup?"
この質問に対する回答は、大抵の場合、"Sure, here you go." とか "Here you are."という感じです。「はいどうぞ」ですね。すぐもらえる場合です。
でも、店員さんが大忙しでそれどころじゃないと思っていたり、めんどくせ~なんて思っていたりしたら、"One second!" とか "I'll be right there." などと言いながら、なかなか動いてくれなかったりします。
一方で、
"How come there is no ketchup?"
の場合は、ちょっとニュアンスが違うんですね。”How come"は、”Why"とほぼ同じ意味ではあるのですが、このシチュエーションだと、”Why”より数段きつい響きがあります。
「どうして(入っているべき)ケチャップが入ってないんだ?」という抗議の響きが強いんですね。
言われた側は、Yes / No で受け答えできる質問ではないし、無視しづらい雰囲気だし、何らかの回答をするか、そうでなければ、さっさと行動するか、どちらかの選択を迫られます。
この場合、店員さんは、ひとことも言わずにケチャップを取ってくると、容器に放り込んだんですね。不愛想で乱暴気味な店員さんだったのですが、私達の目的は達成されたというわけです。
Yes/No だけではなく理由や説明など広がる答えになる質問をする
この例がいつでもうまくいくわけではないのですが、何かを要求する時というのは、Yes/Noで答えられる質問ではなくて、
- 説明をしないといけない
- 行動しないといけない
そういう聞き方をするほうが、効果があります。たぶん心理学的な要素もあるんでしょうけれど、
● Is my order ready?・私の注文した料理まだ?だと
「Not yet.・まだだよ」で終わる可能性があるのに対して、
● When will my order be ready?・私の注文した料理、いつできるの?だと
Sorry, another 10 minutes or so.・申し訳ありません、あと10分くらい、という風に少なくとも、YES/NOだけではない答えが返ってきます。
とりあえず、質問する時には、YES/NOではなく、もう少し広がる回答をもらえる形の質問をするようにしてみましょう。
普段の会話での質問も同じく、Yes/Noで答えられない質問をしよう
● Do you like Ice cream?・アイスクリーム好き?
Yes, I do / Not really.・好きよ/あまり好きじゃない。
● What flavor of ice cream do you like best?・アイス、どのフレーバーが一番好き?
Well, maybe vanilla. / I don't really care for ice cream.・バニラかな/アイスはあまり好きじゃない。
「好き?」と聞くだけだと、はい/いいえ だけが返ってくるので、その次に、「どの味?」と質問を重ねることになりますが、最初から、「どの味が好き?」と聞けば、フレーバーだったり、全部好き、とか、あまり好きじゃない、とか、少なくとももう少し答えが広がるので、次に進めやすくなります。
英会話初心者・会話の秘訣 相手にたくさん喋ってもらう。
そうやって会話を広げていくことで、あなたがしゃべる機会も増えていくことでしょう。