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ハスラーズ(映画)・ジェニファー・ロペスとコンスタンス・ウー主演

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NYの夜が明かす、実話に基づいた女たちのストーリー

日本公開は、2020年2月7日

全米では、昨年9月13日に公開され、興行収入100億円を超す、大ヒットとなった映画です。

主演は、J.LO(ジェイロー)こと、ジェニファー・ロペスと、

「クレイジー・リッチ」のコンスタンス・ウー

 

ジェニファー・ロペス、2020年第77回ゴールデングローブでは、

助演女優賞の枠でノミネートされていましたが、

この映画では、コンスタンスと並んで、ダブル主演といえる存在感です。

 

この映画の注目点は、まず、実話に基づいた作品であるということ

 

NYの夜を舞台に、ストリッパーとして生計を立てる女性たちが、

世界的な金融・経済危機を引き起こすきっかけとなった、

2008年9月29日のリーマンショックを機に、

使い捨てのストリッパーから転じて、

今だ富と好き放題を手にする男たちから、奪い返す側に立つという、

無謀、且つ、豪快ともいえる、クレイジー破天荒ぶりが、

時にコミカルに、

時にシリアスに、

ハイスピードで流れていきます。

 

原作となるのは、2015年12月28日に、New York Magazineに掲載された、

「The Hustlers at Scores」というタイトルの記事

ライターのジェシカ・プレスラーが、数年にわたって行なったインタビュー取材をもとに書き上げた記事です。

 

実際に、当時の記事を読んでみたのですが、

映画では、かなり正確に、記事内容が再現されています。

 

スクリーンに映し出される、やや過激な映像、

登場人物の描写や言動も、

それほど誇大脚色されているわけでなく、

本当に、こういうことだったんだろうな、と

納得できる内容です。

 

監督のローリーン・スカファリアは、この原作となる記事に、深く共鳴し、

映画化に臨んだそうです。

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奇跡の50歳*J.LO*ことジェニファー・ロペスが魅惑的

とにかく、ぐいぐいと引き込まれて(惹きこまれて)いく存在、

ジェニファー・ロペス演じる、カリスマ・ストリッパーのラモーナ。

美しく、

優雅に、

過激に、

欲深く、

そして

情深く、

 

女性の、というか、人間のあらゆる多面的要素を

押し込めたようなキャラクターに、

多くの人は、驚き、憧れ、反発し、共感し、惹かれることでしょう。

 

ストリッパーと男たち

世の大多数の女性にとって、

ストリッパーという業種はもちろんのこと、

その仕事で生計を立てる女性たちが、

どのようなことを思い、

どのような生活を営んでいるのか、

未知の世界であろうと思います。

 

身近に知り合いでもいない限り、

ストリッパーなんて・・・

と思いがちではないでしょうか。

 

というか、やってごらんと言われても、

あんなにハードで、男を虜にするような動き、

できね~よ、というのが正直なところかも

 

この映画では、

それぞれの過去を背負った、

普通の女たちが、

体を張って金を稼ぐ、

それも、世界経済を動かす

ウォールストリートのエリートたちを

相手に。

 

彼女たちの目には、

テイラーメイドのスーツに身を固め、

一瞬にして何億というお金を動かす

エリート金融マンも、

 

一晩に、酒と女に1000万円をばらまくカモでしかないのです

 

法律を潜り抜け、野望に駆られて、勝ち続ける

弱肉強食の世界で戦う男たち。

 

そんな男たちが、

NYの夜の豪遊に求めるものは、

支配、独占、更なる勝ち

なのでしょうか?

 

あるいは、日常を忘れるための幻想の世界、

いつ負けるかと、いつもどこかで絶えず怯えている

そんな現実を握りつぶすプライド・・

 

映画の中で、「犠牲者」となる男たちは、

自業自得という目でみられがちでもあります。

けれども、そこにもまた、

それだけでは片付けられない、

現代社会の根深い病巣が、

見え隠れするのです。

 

意外な展開と浮き上がる絆

映画は、ストリップクラブのダンスシーンで始まります。

女性にとっては、あまり気持ちのいいシーンではないかもしれません。

 

けれども、ストーリーは即、女たちの個性を浮き彫りにしていきます。

 

新入りストリッパーのデスティニー(コンスタンス・ウー)は、

男たちを狂喜させるカリスマ・ストリッパーのラモーナ(ジェニファー・ロペス)のステージを目の当たりにします。

客が投げ入れたドル札の山を、ごみのように抱えてステージから去るラモーナは、

「抱くならお金よ」

とデスティニーの耳もとでささやくのです。

 

「Doesn't money make you horny?」

確かそのような言い回しだったと思うのですが、このセリフ、日本語にどう訳されるのだろうと、

興味深々だったのですが、

これは、お見事です。

 

そして、そのカリスマに引き込まれたデスティニーが、ラモーナにアプローチし、

ふたりは、仲間としての絆を深めていくのです。

 

ラモーナは、感情的で、怖いもの知らず、

そして、ファミリーとして受け入れた仲間には、驚くほどに、情が深い。

 

面倒見がよくて、優しくて、明るくて、頼りになって、

彼女は、顧客からも同僚からも、一目置かれる存在なのです。

 

騙し騙され、人を信じることができなくなっていく中で、

デスティニーとラモーナは、

本物と思える絆を深めていくのですが・・・。

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ハスラーズの見どころは?

今回の映画で披露される、

ストリッパーの、ポールダンス

あの、消防士が出動時に、2階からするすると滑り降りてくる長い棒にも似たポールに、

手足を絡ませ、くるくる回ったり滑ったり、色気満載のダンスなのですが、

これが、実は高度なテクニックと筋力を要する、ハイパフォーマンスなのです。

 

ダンサーを演じた役者全員が、元シルクドソレイユのパフォーマーにレッスンを受けたそう。

 

ジェニファー・ロペスは、プロダンサーでもあり、

彼女のダンスレベルは、相当なものですが、

このポールダンスを習得するのに、6か月、日夜レッスンに励み、

外出先でも、持ち運びできるポールを持参して、練習していたほどで、

今までに使ったことのない筋肉を使い、人生で一番タフだったと語ったそうです。

 

2008年前後のファッション

リーマンショックの前と後、ということで、

景気は大きな波を受けるのですが、

一貫して富を貪っていた一部の人達は、

変わらずに、贅沢三昧を続けていたのです。

 

当時、アメリカのファッションリーダーというと、

ジェニファー・ロペス

ファーギー

アシュリー・シンプソン

ビヨンセ

など。

 

映画に登場するそれぞれの女性のイメージに、

当時のファッションリーダーを合わせて、衣装をデザインしたというミッチェル・トラヴァース

 

彼女らの華やかな衣装には、目を見張るものがあります。

 

音楽に感動した理由

ダンス・ミュージックから、ヒット曲、

耳慣れたモダンな楽曲が次々とビートを打つ中で、

別次元からワープしてきたかのように流れる

美しいピアノの旋律に、

ハッとします

 

それは、

フレデリック・ショパンの、練習曲集、エチュード。

サウンドトラック全57曲のうち、

10曲が、エチュードからの選曲です。

 

1曲目が流れたときは、

「? 珍しいな、こういうピアノ曲が、この映画に?」

と思ったのですが、

要所要所で、次々と流れる素晴らしい演奏に、

実は、考え抜かれた選曲なのだとわかるのです。

 

映画のイメージとは、180度といっていいくらいの別世界。

けれども、その旋律が、絶妙に溶け込み、

音楽自体が、その場面を演じているかのように雄弁に語り出す。

 

ショパンのエチュードは、大好きな曲集なのですが、

それが、この、突拍子もない組み合わせといえるような場所で、

素晴らしい演出を成しえたことに、感動を覚えます。

 

クラシックに親しみのない方には、特に味わって頂きたいエレメントです。

 

映画・ハスラーズが今、全世界に発信するメッセージ

2013年の事件発覚後、原作となった記事を書いたジェシカ・プレスラーが、

取材インタビューを行っている場面で、

ラモーナはこう語ります、

 

「この街、この国全体が、ストリップクラブだった。

金をばらまく側と踊る側の人間がいただけ。」

 

法律を破ることは、よくないこと。

犯罪は、いかなる理由でも、正当化されるべきではない。

 

人は、職種、性別、生い立ち、教育、財産、

そういったもので、判断されたり、蔑視されたりするべきではない。

 

そういう人間社会の基盤を否定するのではないけれども、

理想と現実の間で、日々、生活のために苦闘する人々。

 

そこに、善悪はなく、正誤はなく、幸運不運もない。

 

あるのは、ただ、それぞれの場所で、生き延びるために、

金をばらまく者がいて、踊る者がいる。

 

それだけなのだ。

 

日本全国公開は、2020年2月7日(金曜日)

オフィシャルサイトはこちらから ⇒ ハスラーズ・Hustlers

 

この映画は、

物議を醸しだす可能性が高いのかもしれません。

何せテーマが、NYの夜。

ストリップクラブを背景に入り乱れる男女のドラマ。

 

お互いに、とことん正直な感想を語り合えるような

それこそ「絆」がまだ出来上がっていないのなら、

そして、お互いを尊重し、リスペクトし、理解しようとする気持ちがないのなら、

彼氏・彼女といっしょに観るのはやめたほうがいいかも。

 

な~んて、ちょっとシリアスすぎるかもしれませんが、

それほどに、核心を突かれる作品でもあります。

 

スーパー付きで公開されたら、日本語で、どのように迫ってくるのか、

もう一度、観るのが楽しみです。

 

とはいっても、ハリウッドエンターテインメント。

魅力的な女優陣と、コスチューム、ミュージック、ダンス・・・

大人の夜と危ないゲーム、そういったビジュアルを楽しむだけでも、

十分手ごたえのある作品です。

 

アッシャーが、カメオ出演するのも見逃せない!

 

ということで、

映画、ハスラーズ、是非、お楽しみください!


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