7月11日午前、宇宙日帰り旅行から戻ってきたのはリチャード・ブランソン氏
今朝のNBCニュースで流れた着陸後の会見の様子なんですけど、
めっちゃくちゃはしゃいでいましたね、ブランソン氏。彼はもともと、子供のような好奇心と表裏のない無邪気さがあるそうで、今朝の様子も、「いつもこんなんだよ」と関係者は話していました。
今回の宇宙テスト飛行は、2004年のバージンギャラクティック社設立以来、莫大な費用と時間、そして命をも捧げて築き上げてきたブランソン氏の夢の実現ともいえるイベントでした。
海抜80キロ上空の地点が、大気圏と宇宙空間との境目だとする米連邦航空局の定義によると、今回のバージン・ギャラクティック社のユニティ22宇宙飛行機は、数分間「宇宙を飛んだ」ことになるそうです。
ちなみに、国際航空連盟(FAI)が定める「カーマン・ライン」(海抜100キロ上空の地点を、大気圏と宇宙空間の境界線だとする定義)では、これは、まだ大気圏内だったということになるとの論もあるのですが、専門家の話によると、80キロでも100キロでも、さほど差はない・・らしく、当のカーマン博士(1881-1963)も、最初は80キロあたりを算出していたけれども、確定する根拠も足らず、繰り上げて100キロにしたという噂もあったりするそうで。
どちらにしても、今回のバージン・ギャラクティック社のテスト飛行は、来年にも開始する一般人向け宇宙旅行プランのPRとしては、大成功だったと報じられています。
バージンギャラクティック社のユニティ22宇宙飛行機はかっこいいです
宇宙に飛び立つ光景といえば、シリンダー状のロケットが爆音を上げて垂直に発射されるイメージが強いのですが、ユニティ22号は、どちらかというと、戦闘機タイプ。
この画像ではわかりにくいのですが、母機となるのは、2機の飛行機をくっつけた形態の飛行機で、その間に宇宙飛行機が挟み込まれた形で離陸して、上空で、宇宙飛行機がジェット噴射を開始して母機から切り離され、宇宙空間へと上昇し、海抜80キロの大気圏を抜けたところで、数分間宇宙飛行をおこない、その後、高度を下げて、グライダーのようなスタイルで着陸する、というもの。
2時間余りに及ぶライブストリーミングが記事下に貼ってありますので興味のある方は、ぜひご覧ください。(実際に飛ぶのは1時間過ぎてから、宇宙飛行機の切り離しは1時間半過ぎてからです)
一般人が宇宙旅行に出かけるのはいつ頃のこと?
バージン・ギャラクティック社は、すでに来年2022年には、一般乗客を宇宙へ送り出す計画を進めていて、ひとり約25万ドル(2,700万円ほど)のチケットは予約いっぱいだそうです。
今回のテスト飛行は、ブランソン氏自らが宇宙飛行を体験し、その模様を一部始終ライブ配信しています。それは、この宇宙飛行機がいかに安全で快適であるかを、世界中にアピールするものでもありました。
一般企業が、宇宙開発に参入するということは、一般人にも宇宙へ飛び出すチャンスが限りなく到来するということです。
私達が見慣れたNASAのロケット発射の光景。宇宙服に身を包んだ選ばれしエリート宇宙飛行士が、長期間のトレーニングと体調管理を経て、ようやく出発を迎える、そんなイメージとはまるで違って、始終カジュアルな空気を醸し出していた今回の宇宙飛行でした。
ちょっと宇宙行ってくるわ、晩御飯までには戻るから
今回の宇宙飛行、ほんの数分、大気圏を出ただけじゃない・・なんて言う人もいるでしょうが、これは、ほんのビギニング。
卒業祝いや就職祝い、結婚祝いなどに、宇宙旅行をプレゼント、なんて日もそう遠くはないのです。
今月20日には、メガオンラインショップ、アマゾンの創設者ジェフ・べゾス氏が、所有するブルーオリジン社開発のロケットに自らが搭乗し、宇宙へ飛び立ちます。
こちらは、一足遅れてレース開始と言われつつ、海抜100キロのカーマン・ライン超えを達成することで、「本物の宇宙飛行」だと謳っています。
(ブルーオリジンの有人ロケット:写真・CNBC社)
すでにロケット事業にどっぷりつかっている、スペースX社のイーロン・マスク氏を含め、世界3大大富豪実業家が、宇宙開発を手掛けるとなると、自由競争に伴って、コストも価格もいずれは一般庶民の手に届く域に入ってくるのでしょう。まあ、あと何十年かかるかわかりませんけどね。
ということで、今回は、今朝のニュースから、バージン・ギャラクティック社のユニティ22による、宇宙テスト飛行無事成功のお話しでした。