子供のための英会話

脳科学研究が導き出した子供の英会話習得ロードマップ

アメリカンキッズ・メディア

子供はいくつから英会話を始めるのがベストなの?

在米30年の私が体験した本当にあったお話です。

世界旅行

【A君・6歳のケース】

それは、A君にとって初めての海外旅行でした。

当時私の知人で、研究員としてロサンジェルスに在住していたイスラエル人一家のところに遊びに行った時の事。その家族には10歳8歳5歳になる3人の男の子がいました。

大人がリビングで談笑している間に、3人の息子たちはA君を、自分たちの子供部屋に連れていって遊び始めたんです。

30分ほど過ぎたころでしょうか、私は子供達の様子を見ようと部屋をのぞきました。

すると、4人は、何やら飛行機のようなおもちゃを飛ばして、きゃっきゃと騒いでいたのです。

そのとき、飛行機を飛ばそうとした息子のひとりにA君が叫びました、

「Wait!」

完璧なネイティブ英語で、A君が叫んだのです。

A君には英会話の経験は全くありませんでした。外国人と遊んだこともありません。そんなA君が、出会ってほんの30分で、ネイティブ英語で遊んでいたのです。

しばらく様子を見ていると、A君が発したのは「Wait」だけではありませんでした。

「Here!」「Wow!」「Oh~~」「Good!」「Again!」もちろん全部ネイティブ発音です。

A君と3人の息子たちは、ひとつの飛行機を順番に回しては天井に向けて飛ばし、歓声を上げていたのです。

紙飛行機を飛ばす男の子

【K君・7歳のケース】

K君はお父さんの転勤でロサンジェルスに引っ越してきました。英語はまったくできませんでしたが、現地の小学校に転入することになりました。

先生が授業で話すことも、クラスメートが話しかけてくる言葉もわからず、K君は辛い思いをしたそうです。初めて会ったとき、明るい笑顔を見せてくれたK君が、日に日におとなしくしょんぼりしていくのがわかりました。

英語わからない

私は、K君を励まそうと、学校が終わってからうちに呼んで、近所の子供達といっしょに遊ぶ機会を作りました。最初は恥ずかしそうにしていたK君でしたが、何度か遊ぶうちに、打ち解けてきて、あまり話はしませんでしたが、楽しそうに笑って遊ぶようになりました。

それから1ヵ月ほど過ぎたころ、K君が現地の同級生の女の子といっしょに遊びに来てくれました。女の子は英語しか話さないので、3人で英語で話し始めた途端、K君が私に、「今なんて言ったの?」と英語で聞いてきたのです。船の話をしていたんですね。

私は、「ボートって言ったんだよ」と英語で答えました。すると何と、K君が、「ボートはボートじゃなくて、ボウトだよ!」と英語で言ったのです。

ボート

発音直されてしまった~~~!

私はかなりショックでしたが、短期間にそこまで英語を習得したK君を誇らしく思いました。

* * * * * * *

さて、こういった実例は山ほどあります。20年間ロサンジェルスの集合住宅で暮らしていた私は、常に近所に子供がいて、いっしょに遊んだり、ベビーシッターをしたり、勉強を見てあげたりと、いつも子供たちに囲まれていました。

ハロウィーンのとき、20代のいい大人だった私にシーツと紙袋をかぶせて、いっしょに近所を「トリックorトリート!」と叫びながら回ってくれた子達もいました。かぼちゃのバケツをぶら下げて一番うしろで縮こまっていた私を指して、「この子にもお菓子あげて!」と言ってくれて、おかげで私のバケツはお菓子でいっぱいになりました。

ハロウィーン

当時は、日本から転勤や留学で数年間滞在された日本人のご家族も数多くいらっしゃって、そういった方々、そして子供達ともお付き合いさせていただきました。

その間、たくさんの子供達が、日本だけでなく他の国から来た子供達も含めて、どのように英語の環境に馴染んでいくのかを間近で見てきたのです。

 

子供の脳が成長していく過程に合わせた習い事をさせること

脳の研究の第一人者である脳医学者の瀧 靖之(たきやすゆき)先生は、著書『「賢い子」に育てる究極のコツ』の中で、子供の脳の成長について次のように書いておられます:

「使う脳の部分によって、延ばしたい能力によって、成長の始まるタイミングは違います。脳は、そんな性質を持っているのです。

そして、ある能力が一番伸びやすい時期に、その能力に関係する習い事を始める、次の時期になったら、違う習い事を試してみる、それを繰り返すことで、子供の能力を効率的に伸ばすことができますし、子供自身が感じる学習ストレスを大幅に減らすことができるのです。」
(引用元:16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ」)

さて、では、語学能力がいちばん効率的に伸ばせる時期とはいつなのでしょう?

瀧先生によると、言語の発達は、8~10歳にピークを迎えるそうです。その時期までに積極的に外国語に接していた子供は、後に英語能力が伸びる可能性が非常に高くなるそうです。

けれど注意しておきたい点は、早ければ早いほどいいというわけでもないということなんですね。

さきほど、「ある能力が一番伸びやすい時期に、その能力に関係する習い事を始める」とありました。

具体的には次のようになるそうです:

年齢能力を伸ばす最適なアクティビティ・習い事
0歳~絵本、音楽、図鑑から「見る」と「聞く」
3歳~5歳楽器の演奏、スポーツ
8歳~10歳語学
10歳~思春期コミュニケーション

脳の成長と習い事

脳はそれぞれの部分によって成長の時期やスピードが違うそうです。そしてそれぞれの部分にはちゃんとした役目や目的があるので、そこにタイミングを合わせて最大限の効果が出る習い事をさせてあげるということなんですね。

5歳までに英語を習わせてバイリンガルに!と希望される親御さんもいらっしゃるでしょうが、脳科学的には、

まず最初に、図鑑、絵本、音楽に触れる時間をたくさん作ってあげる、そして運動能力が発達する3~5歳になったら、楽器やスポーツを習う、そのほうが、脳の成長全体を考えたときに、いちばん効果的なのだそうです。

そして5歳を過ぎて、言語の発達がピークを迎える8~10歳頃までに、英語・英会話を習い始めるのが一番効果的で、その時期に英語に触れていた子供は、後に学校で英語の授業が始まる頃には、その能力が更に伸びる可能性が非常に高くなるそうです。

2020年から必須化された小学校の英語教育では、3・4年生(9~10歳)が英語に慣れ親しむ「外国語活動」、そして5・6年生(11~12歳)で読み書きを含めた英語教科授業を受けることになりました。

3・4年生で英語活動が開始されるのは大変喜ばしいことですが、これは週1コマというかなり少ない時間です。理想的には、その1~2年前から、英会話に慣れる機会を作ってあげれば、3年生で外国語活動が始まる頃には、すでに英語に対する違和感や警戒心もなくなっていて、積極的に活動に参加できるようになっているはずです。

そして通知表に記録される英語授業が始まる5年生の頃には、授業が簡単で楽しくなっていることでしょう。そのようにジャンプスタートを切ることで、子供は自信を持ち、勉強が楽しくなるんですね。

英語ができるという自信は、他の授業にもいい影響を与えます。脳科学ではそれを「汎化(はんか)」と呼ぶそうです。それは、

何かひとつの能力が伸びると、それに直接は関係しない部分の能力も伸びていく」という、脳の性質なんだそうです。

「何かひとつの分野に集中して取り組むと、脳内で、それに関連する神経細胞のネットワークが強化されます。それにつられて、他の色々な部分のネットワークも最適化されるために、このような現象が起こると考えられています。」

(引用元:16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える「賢い子」に育てる究極のコツ」)

 

さて、話をロサンジェルスでの体験談に戻しますね。

私が実際に接した子供達は、ほとんどが小学生でした。そして渡米した時には、英語が全くできない子供たちでした。

ちょうど年齢が7~10歳くらいだったので、先にご紹介した「言語の発達がピークを迎える時期」あたりだったわけです。

子供によっては、慣れるまでに多少時間のかかる場合もありましたが、みんな、現地校に通い始めて半年も過ぎれば、普通にネイティブ英語を習得して、現地の子供達と何ら変わらず授業を受け、遊んでいました。

近所にあった公立小学校は、自由な校風で、宿題もほとんどなく、渡米したてで英語がわからない生徒であっても、特にESLの授業を受けさせるでもなく、普通に対応していました。

滞在が1年を過ぎる頃には、兄弟姉妹などは、家に帰ってもお互いに英語で話しているという子供達もいたくらいです。

数年の滞在後に帰国する予定の御家族の場合、親御さんは皆、子供たちが日本語を忘れることを心配して、現地にある土曜日だけの日本語学校に通わせていました。

一度習得した英会話は忘れないの?

冒頭で紹介したA君の場合、滞在が2週間ほどの旅行だったのと、帰国後、特に英会話を続けられる環境にもいなかったので、覚えた英語は、同じくらいの速さで忘れてしまったそうです。

そしてK君の場合は、2年足らずのアメリカ生活を終えて帰国し、現地の学校に戻ってから、こちらもまた、驚くほどの速さで英語を忘れていったそうです。帰国後半年ほど過ぎたころに親御さんから頂いたクリスマスカードには、「Kは、今では、自分が英語をぺらぺらとしゃべっていたことさえ忘れてしまっています。」と書いてありました。

まだまだ成長期にある脳は、新しいことをどんどん吸収していく一方で、いらないもの、使わないものは、どんどん切り捨てていくという性質があるそうです。

驚くような速さで、ネイティブ同様の英語を話していた子供達ですが、いったんその環境を離れると、脳は、あっという間に、英会話を必要のないものと判断して切り捨てていく、ということなんですね。

子供が英会話を始める最適な時期と英語力を持続させる環境

子供が最小限の努力で最大限の英会話能力を身に付け、それを忘れずに持続するためには、

  • 子供が英会話を始める最適な時期(8歳前後から10歳)を見逃さない
  • その頃に集中して英会話を習得し、その後は、忘れないようにする環境を作ってあげる

この2点です。

人間の脳は、いくつになっても学習能力を持ち続けるそうです。だから大人になって初めて英会話を始める人でも、努力に応じて習得することができます。ですからお子様がすでに10歳を超えているといっても悲観することは全くありません。私が見てきた限り、小中学生の間に渡米してきた子供達は、みんな問題なく、ネイティブ発音の英語を習得していました。

何が違うのかというのは、その「努力」の量が、始める時期によって、大きく変わるということなんですね。

語学を学ぶのに最適な年齢で英会話レッスンを始めれば、身につくための努力は最小限、そして効果は最大限。だから子供はそれを苦と感じずに、楽しく学べるということです。

小学校での英語必修化を機に、これからは益々英語教育と英語習得に対する需要が増していくことは間違いありません。グローバル化に伴い、英語力が無くてはならない武器になるでしょう。

それより何より、英語を使って世界中の人とコミュニケートしたり、英語で発信される情報をいち早く正確に取り入れる能力を持つことで、子供の視野は広がり、将来がより豊かになることは間違いありません。

子供におすすめできる英語学習法

子供が英語に触れる最適の時期は8歳前後から10歳ということがわかりました。

ですが、ほとんどの家庭では、普段の生活に英語を取り入れることは簡単ではありません。やはり英会話教室や教材などを使うのがベストでしょう。

子供用の英会話教室や教材は、今や急成長中のマーケットです。買い手市場であることは、親御さんにとっては、選べる教材の数が豊富なので有利なマーケットといえるでしょう。

一方で、どの教材がいいのか、どのレッスンが効果的なのか、そういう悩みが増えてしまうのも事実です。

そこで今回、子供たちが英会話を習得する為に役立つ様々な教材にフォーカスを当ててご紹介し、親御さんが子供といっしょに実際に試しながらベストなものを選んでいくためのガイドマップを作ってみることにしました。

テーマは:

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子供たちの英会話習得の道のりを一緒に見守っていきましょう!

 

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