イッカボッグ・訳 by どら雲

JKローリング「イッカボッグ」を訳してみた by どら雲:第18章

イッカボグ

JKローリングのイッカボッグ

本文中の挿絵は、子供たちからの応募作品の中から掲載させて頂きました。内容は抜かしているところもたくさんあり、荒っぽい訳なので、本が出版されたら、みなさん、ぜひ本物を楽しんでくださいね。

本の目次と登場人物の紹介は、「JKローリング新作「イッカボッグ」を訳してみた by どら雲」をご覧ください。

(注)この記事内のカタカナ表記を含む表現文字は「どら雲」独自のもので、正式表記とは異なりますのでご了承ください。

「イッカボッグ」第十八章:主任相談役の最後

ようやく兵士たちが家に帰ろうと立ち上がった時に、フラプーン公が心配顔で、部屋に飛び込んできました。

「今度は何事だ?」スピトルワースがうんざりして言いました。

「主任、相談役、が!」息を切らせてフラプーンが言いました。

そこに、怒りに震えた主任相談役のヘリングボーンが、部屋着のまま入ってきました。

「説明してもらおうではないか、公爵!、

イッカボッグがいた? ビーミッシュ少佐が亡くなった?

それに、今、3人の兵士が死刑を宣告されて、引きずられていくのを見ましたぞ、

その三人は、裁判をするまで牢獄に入れておくようにと命じたが。」

「主任相談役、ちゃんと説明させていただきます。」スピトルワースはお辞儀をして言いました。

そして、その夜、三回目となるストーリーを、話して聞かせました。

ヘリングボーンは、それまでも、スピトルワースとフラプーンが王様に悪い影響を与えているといつも嘆いていたのです。

話を聞き終えたヘリングボーンは、言いました、

「よくできた話だ、スピトルワース公。だが、これ以上、この件には関わらないで頂きたい、ここからは、相談役が責任をもって事をすすめよう、このような緊急事態のために、コルヌコピアには、法律と規範というものがあるのだ。

まず第一に、牢獄の者たちには、裁判でそれぞれの言い分を話してもらおう。

第二に、ノビー・ボタンという兵士の身元を調べて、ご遺族に知らせなければならん。

第三に、ビーミッシュ少佐の遺体は、王室の医者にしっかりと調べてもらい、少佐を殺したのが、どのような怪物なのか、もっと知る必要がある。」

スピトルワースは大きく口をあけたまま、何も言えませんでした。

せっかくたくらんだ素晴らしい作戦が、がらがらと音をたてて崩れ落ち、自分がその下敷きになってしまった気がしました。

 

その時、ローチ少佐が、磨いていたライフルをゆっくりと置くと、壁にかかっていた剣を取りました。

ローチとスピトルワースは、目くばせしました。

スピトルワースが言いました、

「ヘリングボーン、あなたも、そろそろ引退する時期かもしれませんな。」

きらりと刃が光ったかと思うと、ローチの持っていた剣が、主任相談役のおなかを突き抜けました。

 

兵士たちは息をのみました。主任相談役は、ひとこともなく、がくりと膝をつくと、ばったりと倒れこんで、死んでしまいました。

 

スピトルワースは、兵士たちを見回しました。みんなの顔が恐怖に満ちているのを見て満足し、穏やかに、尋ねました、

「今、主任相談役が引退される前に、私を彼の後任に任命したのを聞いただろう?」

兵士たちは、うなづきました。

みんな、目の前で殺人が犯されたのを、ただ見ていただけでした。もう引き返せない深みにはまってしまったことに気づいたのです。今はもう、生きて部屋を出て、家族のもとに帰ることができればそれでいいと思っていたのです。

「よろしい、」スピトルワースは言いました。

「王様はイッカボッグがいたと仰っている、私は王様の味方だ。そして今、主任相談役になった。今後、この国を守る作戦をねっていく。

王様に忠実なものたちは、今後も同じように生活するがよい、王様に反対するような者は、臆病者と裏切り者の罪で、牢獄、あるいは死刑とする。

さて、誰かひとり、ローチ少佐に手を貸しなさい、主任相談役の体を、誰にも見つからないところへ埋めるのだ。あとの者は、帰って、家族に伝えるがいい、われらが愛するコルヌコピアの国が危険にさらされていると。」

イッカボッグ3

 

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