本文中の挿絵は、子供たちからの応募作品の中から掲載させて頂きました。内容は抜かしているところもたくさんあり、荒っぽい訳なので、本が出版されたら、みなさん、ぜひ本物を楽しんでくださいね。
本の目次と登場人物の紹介は、「JKローリング新作「イッカボッグ」を訳してみた by どら雲」をご覧ください。
(注)この記事内のカタカナ表記を含む表現文字は「どら雲」独自のもので、正式表記とは異なりますのでご了承ください。
「イッカボッグ」第七章:スピトルワース公の告げ口
その夜、
いつものように、フレッド王は、スピトルワース公とフラプーン公といっしょに、豪華な夕食を楽しんでいました。
そこで、スピトルワース公が、その日の中庭での出来事をほのめかしたのです。
フレッド王は、子供の喧嘩など、取るに足らないことだと気にも止めませんでしたが、
スピトルワース公とフラプーン公は、それでもあきらめませんでした。
「王の悪口など聞こうものなら・・」
悪口と聞いて、フレッド王は、顔色を変えました。
子供達からも人気者だと思っていたからです。
詳しい事情を尋ねた王様に、スピトルワース公は、言いました。
「喧嘩を止めに入ったのは、ビーミッシュ少佐なので、彼に詳しい話をお聞きになるとよろしいかと。」
フレッド王は、すぐにビーミッシュ少佐を呼び出し、
昼間にあった出来事を説明するように命じました。
ビーミッシュ少佐は、
自分の息子であるバートが、王様の悪口を言った女の子をたしなめたこと、
その女の子にも、よほどの事情があって、そのような悪口を言ってしまったことを話しました。
フレッド王は尋ねました、
「どのような事情だというのだ?」
ビーミッシュ少佐は、答えました、
「その子の名前は、デイジー・ダブテイルといいます、その子の母親は、主任裁縫師だった・・」
「もうよい、覚えておる。さがってよい。」フレッド王は言いました。
詳しく聞かれると、デイジーが困ったことになると恐れていたビーミッシュ少佐は、ほっとして、部屋を出て行こうとしました。
その時、後ろで王様の声がしました、
「ビーミッシュ、その女の子は、いったい何と言ったのだ?」
ごまかしても無駄だとわかっていたビーミッシュ少佐は、ドアに手をかけたまま答えました、
「身勝手で、見栄っ張りで、ひどい王様だと。」
そう言うと、ビーミッシュ少佐は、王様の顔を見ることもできずに、部屋を出て行きました。