2020年の卒業生に捧げるYoutubeのライブストリーミング
2020年6月7日。
Youtubeでライブストリーミングが行われました。
4時間半を超えるライブのタイトルは、
”Dear Class of 2020”
アリーシャ・キーのオープニングメッセージに始まり、
オバマ前大統領、ビヨンセ、BTS、レディ・ガガ、ケイティ・ペリー・・・・
その顔ぶれは、そうそうたるものでした。
アリーシャ・キーのオープニングスピーチ
イベント冒頭のアリーシャ・キーのスピーチは、彼女らしい誠実さを感じます。
思いやりとひたむきさに溢れた彼女のメッセージを下に紹介します:
アリーシャ・キー、オープニングメッセージ
クラスオブ2020、おめでとう!
今は、とっても大変な時、大変な一週間、大変な一ヵ月、そして大変な年ですね。
とてもお祝いする気分にはなれないかもしれません。
それでもいいんです。そんな気分になれなくてもいいんです。あなたたちは、今終わった学校生活のこととかでなく、今この瞬間に起こっていることで胸がいっぱいなのでしょう。
デモ行進や反対運動、そしてあなた達の声がちゃんと届くようにと、黙ってはいられない、そう感じているのでしょう。よくわかります。
今、世の中は壊れています。いろんな風に壊れてしまっています。
でも、その痛みと怒りを、あなた達は行動に変えて、あなた達の世代が、この世の中を癒すのだと私達に見せてくれています。
私は約束します。いつもあなた達のそばにいると。
正義への戦いが、この先どこへ向かうとしても。
今感じている痛みは、今に始まったことではありませんよね。
でも、今までとは何かが違うと感じるでしょう?
私は思います。
それは、今初めて、どんな肌の色をしているのか、どこから来たのか、そんなこととは無関係に、私たちみんなが、不正というものの姿をはっきりと見ているからです。そして、今、どのような行動を取るか、選択を委ねられています。
けれども変化を起こすには、自分たちを教育する必要があります。
選挙をして、自分たちの声が届くようにすることもそのひとつです。
そして、自分の中にも偏見が潜んでいることを知り、自分と見た目が違う、あるいは違うように見える人のことを理解し共感すること、それが鍵だと思います。
表面では違うように見える人のことを理解して共感するということ。
そして、私は心の底から、あなた達がインスピレーションとなってくれたことに感謝します。
人類がひとつであることを世界に知らせるインスピレーションとなってくれたことに。
でも今は、ちょっと笑って、これまでの功績を振り返って、そしてこれから始まる未来を思ってみてください。
今日のイベント開催が発表されてから、オバマ大統領、オバマ夫人、ビヨンセ、BTS、マララを始め、たくさんの人がお祝いに参加してくれました。
今の状況になる前に撮影したものもありますし、つい最近のものもあります。みんな、あなたたちが一生大切にできる智慧と宝を分けてくれる人たちです。
さあ、ガウンと帽子を出して、持ってないならどんな帽子でもいいのよ、なんでも持っているもの、思いっきり投げて!
あなたたちは、最高にパワフルな時代に、大人になっていこうとしています。あなたたちが世界を変えることを止めるものは何もない、誰にも止められない。
じゃあまたね、敬意をこめて、そしておめでとう。
Let's go!
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このあと、4時間半あまりのストリーミングが始まります。
スピーチは、Youtubeの音声スピードを落として聞いてみたり、字幕を出して聞いてみたりすると、また味わいが違って面白いかもしれません。
Class of 2020 この年の卒業生の数は、
高校:約370万人
短大:約98万9千人
大学:約197万5千人
大学院:約82万人
博士課程:約18万4千人
だそうです。(米国教育省調べ)
今年の卒業生たちが、思い描いていた卒業式を経験できなかったことは残念ではありますが、反対に、そういう特別な年だからこそ、学ぶことが山ほどありました。
コロナウイルスの爪痕はまだまだ癒えていません。今後何年にもわたって、その影響、後遺症が残ることでしょう。人種差別問題も、まだまだ数知れないチャレンジを乗り越えなければならないでしょう。
けれども、こういうことがあって初めて、家族や友人の存在、仕事や健康の大切さ、思いやりや許容の力、忍耐と行動力の成果、そしてはかなくもある命。
そういったことが、子供達の心に、大切な種となって、蒔かれたのです。
それがいつの日か、大きく育ち、強く花咲かせるように、豊かに実るように、見守り、応援していきたいと思います。