アメリカ生活一年目の頃です。
サンタモニカの砂浜は広く長く真っ白だった
アメリカ生活のスタートは、カリフォルニア州南部の街、サンタモニカでした。サンタモニカピア(Santa Monica Pier)の先っちょには、ルート66のサインが立っているんです。
1926年11月11日に開通された”Highway66”は、米国初のハイウェイシステムのひとつ。全長2,448マイル・3,940キロのハイウェイは、シカゴから出発してサンタモニカが終点、大陸の中央を東西に突っ走る、あまりにも有名なハイウェイです。
サンタモニカピア(桟橋)には、アンティークなメリーゴーランド(Carousel)があって、テレビや映画の撮影もしょちゅう行われていました。
イメージとは違って、サンタモニカの海は、水温が低くて夏でもずっと入っていたら震えるくらいの冷たさで、ハワイやグアムのようなトロピカルな青ではありません。
でも、ず~~っと続く広い広い砂浜は真っ白で、朝いちばんに出かけると、誰もいないビーチには清掃トラックが残したレイクのあと(でっかいフォークみたいなのを引っ張ってゴミ収集する)、点々と置かれたドラム缶のゴミ箱、たくさんの白いカモメの群れ、薄青い空。夢のようでした。
そんな憧れの西海岸で生活を始めたわけですが、当時の私の英語力は・・・。
全然だめ~とは思っていなかったのですが、想像以上に「全然だめ~~」でした。
自分なりにいっぱい勉強していました。単語もいっぱい覚えていたし、熟語も文法も、当時人気のあった「シケタン・試験に出る英単語」「シケジュク・試験に出る英熟語」「シケブン・試験に出る文法」をぼろぼろになるまで愛読していたし、リスニングのプログラムなども使っていました。
そのかいあってか、リスニングは、まだHopelessではなかったように思います。なんとなく言われていることはわかるかなという感じで。でもスピーキングに関しては、全部準備した定型文オンリーで押し通す、変な子だったんだろうなと思います。
もう一度、英語学習の第一歩に戻れるなら
私は、英会話学校には縁がありませんでした。アメリカ移住の直前にちょっと試しに通った学校がありましたが、あまり乗り気ではなかったし、高校時代にマレーシアでインターナショナルスクールに通っていた英語ぺらぺらの友達とよくつるんでいて、色々と悪い英語を覚えさせられたりしましたが、基本、アウトプットはあまりしていなかったんですね。
もともとそれほど社交上手でもなかったし、パーティーとかも苦手なほうだったので、英語学習に関しても受け身パターンでした。
もし、今あの頃に戻って英語学習をやりなおせるならどうするか、と聞かれれば、迷わず答えます。
「アウトプットをしまくる」と。
下手でも間違いでも何でもいいから、もっともっとしゃべりまくって体当たりで英語を覚えたいと。
単語や熟語や文法をたくさん知っているのはもちろんプラスです。特に基礎的な文法に関しては、ブロークンでなく「正しい英語」を使うためのバックボーンになっていると思っています。文法といっても、高校までの文法なので、そんなに難しいものではありません。逆にいえば、高校までの文法が身についていれば、それ以上何も必要ありません。
シケブン一冊で十分なんです(おそらく今は今の人気書があるんでしょうね)。
でも、どれほど単語や熟語や文法を知っていても、リスニングがある程度できても、スピーキングがついていかないと、日常生活にハリがない、というか、物足りないのです。
アメリカで生活していれば、英語なんてすぐにぺらぺらでしょってよく聞きますが、そんなことはありません。その個人差たるやすさまじいものがあります。
めっちゃ楽しんでいた日本人の男の子
LA・ロサンジェルスには、日系人もまあまあ住んでいましたし、学校に行けばどこかに日本からの留学生もいました。大体、日本人は日本人同士で集まっていることが多くて、結局数年暮らしていても期待したような英語力が身につかないことがけっこうあるんです。
暮らしていれば生活には慣れます。どこに行ってどうすれば何ができるのか、とか、こういう時はどうすればいいのか、そういうことは、言葉とは無関係に身につきますから、外から見れば、「おお、外国生活に馴染んでめっちゃいけてるやん」と言われたりするのですが、それは言語習得とは全く別のことなんです。
そんな中、たまにいるんですよね~、体当たりしてるやつが。
その男子は、まだまだカタカナ英語の受験英語っぽかったのですが、ぐいぐいと現地の学生や日本以外の留学生の中に飛び込んでいって、大きな声でわけのわかんないことを楽しそうにしゃべっているんです。
やたら声がでかくて、笑い声もでかくて、でもとても楽しそうだった。よく覚えています。
たまに話したことがあったのですが、行動力も抜群で、○○の家で飲み明かしたとか、そのままサーフィンに行ったとか、○○の仲間とハリウッドのバーに行ったとか、次の休みにはラスベガスまで4時間ちょいのドライブをするとか。
その男子が、その後どういうことになったのか知りませんが、学生の頃過ごした数年の思い出は、きっと一生の宝物になったことでしょう。英語はブロークンだったけど、きっと今でもその調子で、どこに行っても英語で友達を作ってしまうんだろうなと思います。
通じたもん勝ち・目立ったもん勝ち・やったもん勝ち
私は「ほんとに関西出身?」と言われるくらい物静かなほうで(というか、関西人がみんなお笑い芸人みたいだと思うなよって言いたい)英語だけでなく日本語でもそんなにおしゃべりではなかったので、しかたないかなとも思うのですが、
英会話を習得したいのなら、一番大切なのは、アウトプット・とにかくしゃべることです。
それも、ぶっつけ本番で、間違いだらけでもいいから、とにかく喋る。結局それが一番の早道だと確信しています。
アウトプット・おしゃべりする時に、すでにたくさんの単語や熟語、文法を身につけていたら、それは心強いです。
でも、そうでなくても、とにかくアウトプットから入る。そして覚えていく、それでいいのです。
喋れば誰かが聞いてくれる。会話が始まる。そうやってリスニングや単語力、言い回し力もどんどんアップします。
英会話に関しては、受け身になりがちなのはわかります。ハンディがあるようなものですから。でも、そこを頑張って、インプットとアウトプットを少なくとも同じレベルに持ってくることができれば、上達スピードは飛躍的にアップします。
今から英会話を学んでいこうとされている方には、ぜひ実行していただきたいと願います。
間違いを気にしない、訛りを気にしない、恥ずかしがらず、大きな声で、はっきりと。
しゃべる、しゃべる、しゃべる。
もし回りにしゃべる相手がいない場合は、独り言でも独り芝居でもいいんです。とにかくはっきりと声に出してしゃべることが重要です。
アウトプット、アウトプット、アウトプット!
そうやって、英会話力をぐんぐん伸ばしてくださいね。
You can do it!